坂本孝 の名言
ブックオフコーポレーション創業者
同社の代表取締役社長、会長を歴任。現在は、飲食業を手掛け、俺の株式会社代表取締役社長。
経営哲学などにおいて、京セラ創始者の稲盛和夫の影響を多大に受けている実業家のひとり。稲盛の提唱する「6つの精進」などを経営理念に取り入れている。
坂本孝、さかもと・たかし。日本の経営者。「俺のイタリアン」などを展開する「俺の株式会社」、古書店チェーン「ブックオフ」創業者。山梨県出身。慶應義塾大学法学部卒業後、父が経営する精麦会社に入社。その後独立し、オーディオショップを設立するも失敗。中古ピアノ販売、化粧品販売などを経て、50歳でブックオフを設立。同社を大きく成長させた後、会長を辞しバリュークリエイト(のちの俺の株式会社)を設立。未経験の外食産業に参入し「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」などの繁盛店をつくった。
幸せではない人を幸せにすることができれば、そこにビジネスチャンスがある
幸せではない人を幸せにすることができれば、そこにビジネスチャンスがある。
これが私のアイデア発想法の基本です。
すでに誰かがやったことを真似たり、既存の領域で闘ってもビジネスでは勝てません
すでに誰かがやったことを真似たり、既存の領域で闘ってもビジネスでは勝てません。
競合が真似するならすればいい
競合が真似するならすればいい。
その頃には自分たちは次のステップに進んでいるから。
勝つためには、もっと大きな舞台で、そして時代の先端で勝負しなければならない
勝つためには、もっと大きな舞台で、そして時代の先端で勝負しなければならない。
「小成功病」こそが最も危険
ちょっと成功したくらいで有頂天になる「小成功病」こそが最も危険なのです。
顧客のニーズに合った商品を提供しようとする努力を怠れば、顧客から見放されてしまう
顧客のニーズに合った商品を提供しようとする努力を怠れば、顧客から見放されてしまう。
失敗はどんどんするといい
失敗はどんどんするといい、というのが私の考えです。
なぜなら、失敗のなかにこそ成功の芽が潜んでいるからです。
生涯現役で新しいことに挑戦する
私はいま73歳ですが、まだまだリタイアするつもりはありません。
生涯現役を貫いて、これからも新しいことに挑戦していきます。
既存のアイデアや常識を破壊した先に、ビジネスチャンスがある。
既存のアイデアや常識を破壊した先に、ビジネスチャンスがある。
自分のための会社ではなく、働く人が幸せになる会社を創らなければならない。
自分のための会社ではなく、働く人が幸せになる会社を創らなければならない。
すでに誰かがやっていることを真似ても勝てない
失敗から学んだ教訓は、「すでに誰かがやっていることを真似ても勝てない」ということ。
私のキャリアはせいぜい「2勝10敗」
私の人生は順風満帆だったわけではありません。
数々のビジネスに挑戦し、失敗を経験してきました。
私のキャリアはせいぜい「2勝10敗」だと思っています。
今は13戦目を戦っている途中です。
成功するまでやり抜くだけの話
失敗したらどうしようとか、失敗した場合の引き際をどうしよう、などと心配する必要はありません。
成功するまでやり抜くだけの話です。
初心を貫徹する覚悟で臨むことが大切です。
51%の勝算があれば猛烈に突っ込んでいく
常に新しい土俵の芽を探し、そこに51%の勝算があれば猛烈に突っ込んでいく。
そしてその領域での競争優位性を確立する。
これが私のやり方です。
努力を続けていくと、手を差し伸べてくれる人が必ず現われます。
努力を続けていくと、手を差し伸べてくれる人が必ず現われます。
一緒に働く人が、自分の仕事に誇りを持ち、待遇面でも精神面でも幸せを感じながら働くことができる場所を
私が最終的に目指すのは、単なる事業の拡大ではありません。
一緒に働く人が、自分の仕事に誇りを持ち、待遇面でも精神面でも幸せを感じながら働くことができる。
そんな場所を創ることです。
素人だからこそ新しい発想ができる
素人だからこそ、業界の前例や慣習に囚われず、新しい発想ができる。
同じ風景に慣れてしまってはダメ。
異質なものの中に、自分の身を置くべき
同じ風景に慣れてしまってはダメ。
異質なものの中に、自分の身を置くべき。
前例がないから良い
普通の会社なら、前例がなければOKは出せないでしょうが、私たちの場合は前例がないから良しとした。
そこが成功のカギだったのでしょう。
自分の足で出かけていくことで、予期せぬことにたくさん出合える
自分の足で出かけていくことで、予期せぬことにたくさん出合える。
前兆を探し続けることが大切
いま流行っているものには、必ずどこかに前兆が現れます。
その前兆を探し続けることで、勝機を掴むための勘も磨かれるのです。
ビジネスの時流をつかむには
ビジネスの時流をつかむには自分なりのアンテナを持つことです。
そのためには、自分の足で歩かなきゃいけない。
世の中に起こっている様々な現象を直接見て、触れなくてはダメです。
私も時間があれば町に出て、あちこち歩き回っています。
天性の勘なんてものはない。
勘は訓練して磨くものです
天性の勘なんてものはない。
勘は訓練して磨くものです。
同じことをやっているうちは、大手の居酒屋チェーンには勝てない
私たちの会社は当初、客単価2500円の串焼き屋を10店舗ほど経営していたのですが、結局は同業他社と同じことをやっているに過ぎなかった。
同じことをやっているうちは、大手の居酒屋チェーンには勝てないんです。
だったら、大手にはできないことをやってやろうと考えた。
つまり、他には誰もやっていない、ビジネスの「すき間」を探したんです。
見切りの早さも経営には不可欠
飲食業界はスピード感が命ですから、見切りの早さも経営には不可欠。
「もう少し頑張れば、回復できるかもしれない」と考えて、決断をずるずる引き延ばせば、事態は余計に悪化するだけです。
いつもと違うことをやることが大切
会社勤めをしていると、いつも同じ人と同じ店で同じ酒を飲んでいる、ということになりがちです。
でも、それでは景色が変わらない。
違いについて考えることもないから、進歩もしない。
だから酒を飲むにしても、毎回違う顔ぶれで、入ったことのない店に行くほうがいいんですよ。
重要なジャッジをするような場面では、統計学よりも人間の勘のほうが当てになる
統計的な数字やデータも判断をするためのバックグラウンドにはなりますが、経営における重要なジャッジをするような場面では、統計学よりも人間の勘のほうが当てになると考えています。
この業界で非常識なことをやりたいのだから、素人のほうがいい
飲食業界に革命を起こしたいので、力を貸してくれませんか。
私はこれから、この業界で非常識なことをやりたいのだから、素人のほうがいいんです。
右腕である安田道男常務をヘッドハントしたときを振り返っての発言。
安田氏は当時飲食業界未経験だった
自分の企画やアイデアに酔わないことが大切
一般のビジネスパーソンでも、自分の企画やアイデアに酔ってしまう人が多い。
「絶対にいける」と思い込んでしまうんですね。
しかし一方で、どんなリスクがあるのかを考え、それをはねのけるにはどうすればよいかを考えることも必要。
そうすれば、勘の精度も上がっていくし、自分の勘に自信を持てるようになるはずです。
あらかじめリスクを考えておいて、ダメなら即撤退
私だって勘が外れることはあります。
例えば、銀座五丁目に出した高級フレンチレストランは、オープンから2週間で畳んでしまいました。
予想よりも客数が伸びないというのが理由です。
これが粗利や価格設定に問題があるというなら修正がききますが、ウチのような商売は客数がすべて。
もともと「客数が見込めない場合は、3カ月で閉めよう」と決めていたので、その期間が早まっただけのことです。
つまり、予めリスクを考えておいたので、勘が外れたとしても、すぐに軌道修正できたわけです。
やると決めたからには、あとは自信を持って実行する
新業態を始めるにあたってリスクも考えました。
最初はうまくいっても、いつか飽きられてしまうかもしれない、とかね。
しかし、私はいつも、稲盛和夫さんの「楽天的に発想し、悲観的に構想し、楽天的に実行する」という言葉を心の支えにしています。
構想の段階では悲観的にリスクを考えておくべきだが、発想と実行は前向きにイケイケでやりなさいと。
ですから、閃いて、やると決めたからには、あとは自信を持って実行したまでです。
繁盛店の傾向を分析して
ビジネスのすき間を探すには、やはり勘が必要でしょうね。
私たちの場合は、自分たちの足で繁盛している飲食店を100軒ほど回ってみた。
その結果、業績がいいのは、ミシュランで星が付くような一流店か、立ち飲み店のいずれかであることがわかりました。
だったら、その両方を取り入れた業態にすればいいじゃないかと考えたわけです。
これなら他の誰もやっていないし、前例がない。
街に出て、自分のアンテナを張って、ビジネスの芽を探す努力をすることは非常に重要
銀座にユニクロの新店舗ができた時は、開店前の行列に並びに行きました。
商品を買いに行ったのではなく、並んでいるお客さんたちの会話を聞きに行ったのです。
実は、あの行列に並んでいる人の中には、地方から偵察に来た衣料品店の経営者が多い。
すると同業者同士で、「ユニクロのシャシは、○○というメーカーの繊維を使っているみたいですよ」「そうらしいですね、私も今日はその最新技術を見に来たんです」と専門的な話題で盛り上がっている。
そういう話は、飲食業界の人たちと会っている時には絶対に聞けないわけですから、またとない勉強の機会でしょ? こうやって街に出て、自分のアンテナを張って、ビジネスの芽を探す努力をすることは非常に重要です。
新しい商品を試してみて考えるきっかけを作る
コンビニは新しい情報に触れるにはいい場所です。
店員さんに「最近入った新商品を教えてください」と言って、いつも10種類くらいまとめ買いするんです。
それで、会社に帰って食べてみて、ほかの社員にも食べてもらって感想を聞く。
「へえ、おにぎりの具にゴボウマヨネーズなんてあるんだ。
でも、正直そんなに美味しくないなあ(笑)。
だけど、棚を見たら結構売れているみたいだったな。
何でだろう?」とかね。
また考えるきっかけが生まれる。
同じ景色に慣れてしまえば、勘は鈍る
当社では、会議の時に指定席を設けません。
多くの会社では、上座に会長と社長が座って、専務、常務と順番が決まっているでしょうが、そんなルールは壊してしまえばいい。
出席者が毎回好きな席に座れば、それだけで見える景色は変わります。
同じ景色に慣れてしまえば、勘は鈍る。
常に「異質なもの」の中に自分の身を置くよう心がけるべきです。
いつも同じ景色の中に身を置いてはいけない
皆さんは、通勤電車に乗る時、いつも同じ車両に乗りますか? 確かに、降りた時に乗り換えがしやすいとか、いろいろ理由はあるのでしょうが、たまには別の車両に乗ってみてほしいのです。
見える景色が変わりますから。
すると、「車両を変えただけなのに、何が違うんだろう?」と考えるきっかけになる。
ちょっとした違いに気づける感覚というのは、勘を構成する大事な要素ですよ。
だから、いつも同じ景色の中に身を置いてはいけないのです。
勘を養うための訓練
私がラーメン屋に入ったら、店内を見渡して、こう考えます。
「全部で15席か。
客単価が平均千円として、1回転したら1万5千円。
この混雑具合だと、1日に20回転はするだろうから、30万円の売上か。
この立地でこの広さだと、家賃は月に5万円程度。
どうやら夫婦2人でやっているようだから、従業員への給与もないし、売上から経費を差し引いても随分儲かっているな」そんなことを、常に頭の中で考えているんです。
飲食に関係することだけじゃないですよ。
電車に乗って、年配の男性2人が会話しているのを見たら、「あの2人は同窓会の帰りかな。
それとも、1人は医者で、もう1人に持病があるから、自分の知り合いの腕のいい医師のところへ連れて行くところかな」と想像したり、向かいの席に女性が座っていたら「この人は銀行に勤めていそうだな。
いや、服装をよく見ると、銀行の雰囲気には合わないかな」と思いを巡らせたり。
いつも周囲をよく見て、その人やものの背景に何があるのかを、あれこれ考えるんです。
これが勘を養うための訓練になる。
何を見ても、ボケっとしているようでは、勘は身につかないでしょうね。
勘とは
勘は、ケーススタディを積み重ねることで養われます。
本来勘というのは、百円玉を投げて、表か裏かを当てるようなもので、当たる確率は50%しかないわけです。
しかし、その人の経験値が高ければ、過去の実績や実例にもとづいて、「今回はこっちを選択したほうがいい」といった判断ができる。
つまり、勘が冴えてくるわけです。
仕事を続けることが私にとっては最高の健康法
たとえ体調を崩したとしても、療養生活に入るのではなく、仕事を続けることが私にとっては最高の健康法だと思っています。
「病は気から」という言葉があります。
一昨年の大けがのときも、私は病室で仕事を続けました。
奇跡的に回復したのは、主治医の先生によれば、「本人の気力のたまもの」だそうです。
73歳時の発言
ビジネスで大切なことは、とにかく走り出すこと
ビジネスで大切なことは、人を集めて、とにかく走り出すことです。
誰もやったことのないことに挑戦するのですから、走りながら考えて、それをまた実践して、進むべき方向を見つけていくしかありません。
それにみんなの知恵を集めて考えれば、道は必ず開けます。
失敗談は相手との距離をぐんと縮める
相手を説得するためには、まずは自分が心を開き、自分のことをさらけ出さなければなりません。
自分がどんな人間で、どんな失敗をしてきたのかを相手に知ってもらうことが大切です。
とくに失敗談は相手との距離をぐんと縮めます。
講演会などで私が借金で苦労した話をすると、3千人の聴衆がうなずきながらじっと聴いてくれます。
同じ体験をした人が大勢いるから響くのでしょう。
先に待つサクセスストーリーを語らずして、自分より優秀な仲間を集めることは難しい
私が実践して効果的だと感じているのは、ストーリーを語ることです。
計画を実行することで、参画した人がどのように幸せになるのか、また世の中がどう変わるのか。
「この指止まれ」と仲間を集めるなら、このビジネスを実現させた先にはみんなの幸せがあるというサクセスストーリーを示し、それを共有することが大切です。
ストーリーを語らずして、自分より優秀な仲間を集めることは難しいでしょうね。
力を貸してくれる仲間をどれだけ集められるかがカギ
どんなに素晴らしいアイデアでも、自分ひとりの力では限界があります。
力を貸してくれる仲間をどれだけ集められるかが、アイデアを実現するためのカギだと言えます。
社会に貢献しないビジネスは長続きしない
社会に貢献しないビジネスは長続きしません。
なぜなら、自分の欲を満たすためのビジネスは、いつか欲望が途絶えてしまえば終わりだからです。
人のため社会のためだと思えばこそ、困難も乗り越えられますし、世の中をもっと良くしたいという欲も出てきます。
違うからこそ、面白い
私の心強い右腕は、元証券マンの安田道男さんと、飲食業20年の経験をもつ森野忠則さんです。
私たち3人は、過去の経験や人生観、物事に対する感性がまったく違います。
違うからこそ、面白い。
お互いの意見を交換し合い、知恵を統合することで、新しい価値を生み出すことができるのです。
ビジネスパートナーを探す前にすべきこと
自分と違う特性や能力をもつビジネスパートナーを見つけるには、まずは自分のことをわかっていなければならないのは言うまでもありません。
自分は何が得意なのか、また何が苦手なのか。
それらを理解したうえで、自分に足りない部分を補ってくれる相手とチームを組むのが理想です。
自分の得意分野や苦手分野については、これまでの成功や失敗の経験を振り返ればおのずとわかってきます。
ビジネスパートナーの条件
重要なことは、自分よりも優秀な人を少なくとも2人集めること。
できれば自分とは性格や能力、得意分野が異なる人と組むのがいいでしょう。
特性の違う3人ががっちりスクラムを組んでシナジーを発揮すれば、ビジネスはうまくいきます。
大衆は一番後からついてくるもの
少数派が多数派になったとき、相場は大抵、終わりを迎えます。
昔、日経平均株価が3万5千円の高値をつけたときも、たくさんの人が初心者向けの株の本を買い求めに書店にやって来ました。
大衆は一番後からついてくるものです。
時代の先が見えるようになるには
流行りの店や行きつけの店での定点観測や、毎日の生活パターンを意識的に変えることで、気づきが増え、時代の先が見えるようになります。
世の中の先端で何が起こっているかを、知ろうとする姿勢が大事
ビジネスのスキマを見つけるにはどうすればいいのか。
世の中で起きている変化に対して、好奇心を持って首を突っ込んでみることでしょうね。
人だかりができていれば中をのぞき込んでみたり、飲食店の前に行列ができていれば、自分も列に並んで食べてみたり。
話題の店がオープンするときには、私も必ず行って、開店前の人の列に並ぶようにしています。
世の中では何が流行っていて、どういう人たちが集まっているのか。
世の中の先端で何が起こっているかを、知ろうとする姿勢が大事です。
人生で起こることに無駄なことはない。
過去の失敗をどう活かすかが大切だ
「人生で起こることに無駄なことはない。
過去の失敗をどう活かすかが大切だ」と思えるようになれば、失敗は自分が次に飛躍するための糧であると捉えられるようになります。
理念という「メガネ」で世の中を見るだけで、景色がまったく違うものになる
理念が個人のなかにしっかり根づいていると、もし失敗したとしても、そこから学ぶ力が強まります。
仮に理念を持っていなければ、失敗に対して「自分はなんてついていないのだろう」「○○のせいで失敗した」などと、環境や他人のせいにしたり、わが身の不幸を嘆くことでしょう。
ところが、理念という「メガネ」で世の中を見るだけで、景色がまったく違うものになります。
前向きで明るい人が集まる会社にするには
当社には、前向きで明るい人が集まっています。
それはやはり、会社の理念を皆で共有していることが大きいと思います。
また、「人のために汗を流すこと」や「人のために尽くすこと」が、人として立派なことだという共通認識を持っていることも、皆のベクトルを合わせるうえで大いに役立っています。
ですから、社員が仕事帰りに一杯やるときも、会社の悪口は出てきません。
それよりも、「今度あいつを店長にするためにどうしようか」という話し合いをワリカンでやっているのです。
採用面接で相手のことがよくわかる質問
採用の面接でも、「あなた自身ではなく、親友のことを褒めてください」とリクエストすることがあります。
親友のことをどう褒めるかを観察することで、その人自身のことがよくわかると思います。
どんな人たちが周りにいるのかを見れば、その人のことがわる
どんな人たちが周りにいるのかを見れば、その人のことがわかります。
当社の新卒2年目の女性社員の話ですが、彼女が中学や高校時代の友人と一緒に飲むというので、私も顔を出したことがあります。
すると、彼女を囲んでいた人たちはみな前向きで、良い仲間なのです。
良い仲間はツキを呼んできます。
こんな素晴らしい仲間が周りにいるのなら、彼女は大丈夫だと安心しました。
待ちの姿勢ではいけない
オリンピックが東京で開催されるとはいえ、海外からのお客さま向けに日本食を提供する待ちの姿勢では、せっかくの日本食ブームを十分に生かしきれません。
それよりも、海外に飛び出して勝負することを考えたほうが、10倍は大変ですが、100倍のリターンがあるはずです。
もっと世界に目を向け、世界に飛び出していってもいいのではないでしょうか。
東京に拠点を置く利点
世の中のトレンドはどうなっているのか、どこが狙い目なのか。
ビジネスチャンスを察知するアンテナを張るべき場所は、やはり人と情報が集まる東京でしょう。
自分は時代の流れと同じスピードで走っているのか。
あるいは時代の少し先を見据えることができているのか。
変化する時代を先取りし、誰も気づいていないスキマにビジネスチャンスを見つけるには、時代の半歩先を走る必要があります。
このとき、東京から離れて地方に拠点を置いていることが、ハンディになることがあります。
地方での緩やかな時間の流れに慣れてしまうと、東京でのスピードについていけなくなってしまうのです。
生涯現役を貫く覚悟を
私は自分に定年を設けていません。
73歳の今まいた種の芽が、10年後に出るなら、自分で刈り取るつもりです。
それくらいの想いと覚悟がなければ、生涯現役を貫くことはできません。
定年前に守りに入ってしまうのはもったいない
残念なことに、組織に属していると、60歳定年を前に守りを意識してしまい、せっかく判断力や権限があるにもかかわらず、何も決断しない人が多いようです。
しかも、引退後は孫の世話と盆栽が楽しみだというのは、実にもったいない。
日本にとって損失です。
若い頃の失敗から得た教訓の数々が、40歳を過ぎてから生きてくる
若い頃の失敗から得た教訓の数々が、40歳を過ぎてから生きてくる。
だから40歳からが仕事は面白いのです。
40代以降も伸び続けるには
40代になると、だんだん体の無理が利かなくなるため、若い頃のようにがむしゃらに突き進むことは難しくなります。
その代わり、経験を積むにつれて養われていくのが、公平で客観的な物の見方や、正確な判断力などです。
この段階でプレイヤーからマネジメントに移行し、部下の育成や経営の奥義をつかむことができれば、40代以降も50代、60代、70代まで伸び続けていけると思いますね。
経営に携わろうとする人にとって大切なこと
数多くのケーススタディを経験することは、とくに経営に携わろうとする人にとって重要です。
起業して社長になれば、最初のうちは何でも自分一人でやらなければなりません。
求人広告から採用面接、営業活動まで、人任せにはできないのが中小企業の社長です。
弁護士や税理士と話す場合でも、「この社長は何も知らないんだな」と馬鹿にされるようではいけません。
労務問題や経理にも精通して、「この社長はすごいな。
この部分は専門家の自分よりも詳しい」と舌を巻かせるくらいでないと。
そのためには、中小企業で経験を積むのが最も効果的。
中小企業のナンバー2やナンバー3になれば、経営に必要なケーススタディを網羅することができるはずです。
大企業よりも中小企業で場数を踏むほうが成長につながる
より多くのケーススタディに遭遇できるのは、大企業よりも中小企業です。
一方で、ケーススタディの質は、大企業のほうが圧倒的に高いでしょう。
規模の大きな案件や重大な案件は、資金力のある大きな組織に属してこそ、携わることができる可能性があるのは間違いありません。
ケーススタディの質と量。
どちらがより大事だということではありませんが、どちらかしか選べないのであれば、中小企業で場数を踏むほうが成長につながると思います。
仕事は、量をこなすことで質へと転換されていきます。
それに大企業に就職したからといって、皆が質の高い経験をできるわけでもありません。
事業の中核を担うような仕事に恵まれる人は、ごく一部です。
20代と30代の違い
自分の能力を磨き、技術を身につけるのが20代だとすれば、その力を発揮するのが30代です。
失敗から学びながら、成功するまで挑戦し続けることができる制度を
店の売上げに責任を持つというリスクを負いながらも、料理人がいろいろなメニューに挑戦できるのは、失敗するリスクが存在するのと同時に、成功すれば大きなリターンが得られることを認識しているからです。
当社ではリスクとリターンをセツトで捉えたうえで、最後には結果を出すよう社員に求めています。
ゆえに当社の料理人は、失敗から学びながら、成功するまで挑戦し続けることができるのです。
ミシュランの星つきクラスの料理人が大勢集まる理由
これまでは、料理人は店の売上げには関与しないのが一般的でした。
損益には責任を持たない代わりに、メニューを自由に組み立てる権限もなかったのです。
しかも、効率を重視する経営側からは、「新たなメニューは作らずに現状維持でいい」と指示される。
また、原価率は20%と決められており、これを超えると料理人の給料から補てんする高級店もあったようです。
このような環境では、料理人の腕を発揮できないばかりか、原価や味に妥協しなくてはならないことも多く、料理人の不満は募る一方だったようです。
そんな彼らが当社でメニュー作成の裁量を与えられ、店の売上げに責任を持つようになったのです。
彼らにとってはこの状態がおもしろいらしく、ミシュランの星つきクラスの料理人が大勢当社に集まってきました。
これまで料理の提供に専念していた料理長が、「俺の~」では閉店後に自分のつくったメニューの売行きをチェックし、売行きによっては翌日からメニューを変えるなど対応しています。
損益計算書に責任を持たせたうえで挑戦させる
当社では、失敗云々よりも、社員には自分たちの好きに挑戦してもらうという方針です。
たとえば、「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」では、メニューは料理長の裁量に任せられています。
一流の料理人による一流の料理を、これまでにないおいしさとリーズナブルな価格で提供するのが「俺の~」のコンセプトであり、我々の圧倒的な競争優位性です。
ですから、料理人は「原価をじゃぶじゃぶかけていい」ことになっています。
ただし、ひとつだけ条件として、開店から3~4カ月以内に利益の出る店に転換することが料理人には求められています。
つまり、何をやってもいいけれども、損益計算書に責任を持たなければならないということです。
失敗を許容しない組織から出るという選択
最近は、新しいことに挑戦しようとしても、失敗を許容しない組織も多いようです。
失敗は会社にとってリスクだと捉えるのか、それとも将来への投資だと捉えるのか。
前者のような考え方をする組織では、残念ながら失敗のリスクを取った挑戦は難しいかもしれません。
新たなことに挑戦するためには、乱暴な言い方かもしれませんが、そのような組織とは決別し、失敗を許容する会社へ転職するか、独立して自分で事業を興すのがいいでしょう。
新しい土壌に果敢に挑戦すべき理由
51%でも勝算があれば、新しい土壌に果敢に挑戦すべきです。
失敗するリスクはあるかもしれませんが、そのぶんライバルも少ないので、競争優位性を確立できれば一人勝ちです。
たとえ失敗したとしても、失敗から学べることはたくさんあります。
失敗の原因を探り、それを次の挑戦に活かして、成功するまで続ければいいのです。
挑戦できるかどうかはモチベーションにも大きく関わる
失敗を恐れずに挑戦できるかどうかの違いは、人が一生懸命に仕事をするためのモチベーションにも関わってくるものだと思います。
他の誰もやらないことに挑戦を
中古ピアノ販売が成功したのは、ほかの誰もやらないことをやったからです。
すでに多くの楽器店が参入していた新品ピアノのビジネスは、誰でも参入できるくらいだから勝算は高いかもしれませんが、そこで競争優位性を確立することは難しい。
儲けの薄い商売になるのは目に見えています。
あるいはそこそこ成功できたとしても、従来の土壌で勝負している限り、いつか競争優位性は失われていきます。
不景気でも考えれば稼ぎは増える
景気の波に影響されるタクシー業界でも、本当に稼いでいる人は、売上げの落ち込みを不況のせいにして片づけません。
どうすれば売上げを増やせるかを真剣に考え、自助努力しています。
たとえば、新宿の歌舞伎町なら長めの距離で利用する客が多いだろうと考えて、歌舞伎町で待機する。
歌舞伎町から銀座へ客を送り届けたあとも、また歌舞伎町に戻って次の客を待つ。
そうやって客の心理を推測して行動する人は、ほかの運転手の2倍は稼いでいます。
不況のせいにしてはいけない
不況の影響により消費量は減ったとしても、お客様がまったくのゼロになるわけではありません。
適切な商品を適切な価格で提供すれば、どんなときでもそれを欲する人はいるはずです。
不況のせいにして、素直に自分を省みることがなければ、いつまで経っても失敗から学ぶことはできません。
他人のせいにしているうちは失敗から学ぶことはできない
過去の私も含めて、多くの人は失敗の原因を他人や環境のせいにしがちです。
「私のせいではない。
私はただ運が悪かっただけだ」と。
そう思っているうちは、失敗から学ぶことはできません。
「失敗の原因は自分にある」と考えることができて初めて、どうすれば成功に近づけるかを考えることができる。
すなわち、失敗から学ぶための第一歩となるのです。
宝だと思ったものが石ころだったということもある
最初のうちは、「これが宝」と思ったものがじつはただの石ころだった、ということもあります。
かくいう私も、これまでのビジネス人生で「2勝10敗」と数多くの失敗を経験してきましたが、いま振り返ってみれば、最初の頃は自己流で失敗を重ねるだけで、本当の意味で失敗から学んではいませんでした。
俺のフィロソフィ 仕組みで勝って、人で圧勝する俺のイタリアンの成功哲学 坂本 孝,福井 康夫 商業界 |