ムーミンの登場人物
ムーミントロールの親友。
主要キャラクターの中では唯一、服を着て靴を履いており、ヒトに似た姿だが、手が4本指(親指の他は3本)、しっぽが描かれた挿絵も存在するなど明白にヒトとは異なる。
表記と後記の通りスナフキンは英語であり、スウェーデン語では、スヌス・ムムリクである。
自由と孤独、音楽を愛する旅人。
物事を所有することを嫌う。
冬の来る前に南へ旅立ち、春の訪れとともにムーミン谷に戻ってくる。
ただし、原作小説の『たのしいムーミン一家』ではムーミンと共に冬眠する描写がある。
初期のアニメーション『ムーミン』では理知的で静かな大人という雰囲気のキャラクターである。
これは子供らしさを残す主人公のムーミンに対して、その人生観や世界観によって影響を与えていく、いわば「導き手」として焦点化されたストーリー上の役割によると考える人もいる。
父親はムーミンパパの友人ヨクサル。
母親はミムラ族のむすめミムラ(ミムラ姉さんとは別人でありミムラ婦人の長子)で、ミイの甥にあたる。
ちなみに、ミイは「ムーミンパパの思い出(小野寺百合子訳)」作中で生まれており、スナフキンやムーミン、スニフより年上になる。
: アニメーション『ムーミン』ではアコースティック・ギターを弾き歌も歌うが、原作(小説、コミックス)とアニメーション『楽しいムーミン一家』ではハーモニカを吹き、歌わない。
また、原作小説ではアコーディオンを弾く挿絵も存在する。
原作のスナフキンは理知的ではあるが孤独を好み、どちらかといえば人づきあいが苦手な人物として描かれている。
人に指図されるのを嫌い、公園の「芝生に入るべからず」のような立て札を見て怒り、抜き捨てたこともある。
心を許しているのはムーミンなどごく一部の人々にすぎず、『ムーミン谷の十一月』ではヘムレンさんなどの他人に対してひどく無愛想である。
しかし『ムーミン谷の夏まつり』では、やむを得ず引きとることになった24人もの孤児(森の子供たち)の世話をした。
『ムーミン・コミックス』シリーズに出てくるスナフキンは原作よりもやや外向的である。
しかし自分の嫌いな人々がムーミンの家にやってくるとスナフキンはこそこそ逃げだしてしまう。
アニメーション『楽しいムーミン一家』では、ムーミン一家以外の人たちに対しても無愛想にならず、友好的に接している。
何かと事件解決の突破口を作ることも多い知恵者的立場で活躍するためか、親友であるムーミンを始め周囲からは信頼され頼りになるキャラクターという設定である。
番組開始当初は「子供達」の括りにいたが、進行する毎に「子供たちのお兄さん」的立場、どちらかというと大人の立場に移っており、ムーミンパパやママ大人達からも「スナフキンがいるから安心」と頼られている。
しかし、アニメーション『ムーミン』では大人であるが、『楽しいムーミン一家』では年上ではあるもののあくまで子供であるので、タバコは吸わせなくしたものと思われる。
原作の『ムーミン谷の夏祭り』では、森の子供達に「スナフキン小父さん」と呼ばれている。
上記にあるとおり作品によってはミムラやミイとは姉弟ではあるが、アニメーションではその関係に触れられていない。
ミムラとは他人行儀な会話しかなされておらず、『楽しいムーミン一家』の過去編といってもよい劇場版『ムーミン谷の彗星』では、スナフキンとミイはその映画で初めて対面している。
そのため、アニメーション『楽しいムーミン一家』のエピソードでは、ミイからデートに誘われている(スナフキンは、驚いて橋から川に落ち、浅瀬のはずの川に潜ってしまう。
その後、ミイはすっかり気にしていないようだが、スナフキンはミイを見かけると逃げようとする素振りも見せている)。
日本名のスナフキンは英語名のSnufkinからの孫訳で英語の嗅ぎタバコ(スナッフ;snuff)、から由来するものである。
原作のスウェーデン語ではスヌス・ムムリク(嗅ぎタバコを吸う男の意味)という名で登場する。
「スヌス」は「かぎタバコ」、「ムムリク」は親しみを込めて言う「あいつ、野郎」という意味のスウェーデン語。
ところが名の由来に反し、原作、コミックス、『ムーミン』においては嗅ぎタバコは嗅がず、パイプで葉タバコの微塵切り(いわゆる刻みタバコ)に火を着けて、タバコの煙を吸っている。
原作やコミックスでは「ムーミン谷の夏祭り」で、森の子供たちにプレゼントされたラズベリー風味のタバコを日曜日に吸うことにしていた。
『楽しいムーミン一家』ではムーミンパパ同様キャラクターデザインまではパイプをくわえているが、アニメーションではタバコを吸っていない。
人気の高いスナフキンがタバコを吸っていることが子供に教育上の悪影響を与えると考えたために、タバコを吸わせないように変更したものと思われる。
: スナフキンの自由気ままな生き方は、原作読者・アニメーション視聴者の子供たちはもとより、日々の生活に疲れた一部の大人たちの郷愁・憧れも誘い、「スナフキン的な生き方」は理想の生活、スローライフの代名詞としても用いられることもある。
そのため公式サイトで行われたキャラクター投票では、一位をとるほどの人気キャラクターであった。
文芸誌『ダ・ヴィンチ』の2005年12月号では、巻頭数十ページにわたってスナフキン一人の特集が組まれた。
- 「そのうち」なんて当てにならないな。 いまがその時さ
- ありがとう。 でも、いまも考えたんだけどもちものをふやすということは、ほんとにおそろしいことですね
- あんまり大袈裟に考えすぎない様にしろよ。 何でも大きくしすぎちゃ駄目だぜ。
- あんまり誰かを崇拝するということは、自分の自由を失うことなんだ
- いざ泣こうとすると、泣けないことってあるだろ?
- いずれどっかへいくだろうさ・・・・・・。 それともどこへもいかないのかもしれないぜ・・・・・・。 どっちでもいいさ。 このままで、とてもたのしいじゃないか
- いつもやさしく愛想よくなんてやってられないよ。 理由はかんたん。 時間がないんだ。
- おだやかな人生なんてあるわけがない。
- この世にはいくら考えてもわからない、でも、長く生きることで解かってくる事がたくさんあると思う君たちも大人になればわかるさ。 ある意味で、大人は子どもよりももっと子どもみたいになることがあるんだよ。
- その奥さん、親戚は多いし知り合いも沢山いたんだ。 でもね、言うまでもなく”知り合いが沢山居たって友達が一人も居ない”って事は有り得るんだよ
- それはいいテントだが、人間は、ものに執着せぬようにしなきゃな。 すててしまえよ。 小さなパンケーキ焼きの道具も。 ぼくたちには、用のなくなった道具だもの
- だめだよ。 僕は孤独になりたいんだ。 来年の春、また会おう。
- なぜみんなはぼくをひとりでぶらつかせといてくれないんだ。 もしぼくがそんな旅のことを人に話したらぼくはきれぎれにそれをはきだしてしまってみんなどこかへいってしまう。 そして、いよいよ旅がほんとうにどうだったかを思い出そうとするときにはただ自分のした話のことを思いだすだけじゃないか。 そういうことをどうしてみんなはわかってくれないんだ
- ぼくたちは本能にしたがって歩くのがいいんだ。 ぼくは磁石なんか信用したことがないね。 磁石は方角にたいする人間の自然な感覚を、くるわせるだけさ
- ぼくは、あっちでくらしたり、こっちでくらしたりさ。 今日はちょうどここにいただけで、明日はまたどこかへいくよ。 テントでくらすって、いいものだぜ。 きみたちは、どこかへ行くとちゅうかい?
- ぼくは世の中のこと全てを忘れて暮らせたらどんなにいいかと思ってるんだ
- ムーミン「義務って何のこと?」スナフキン「したくないことを、することさ」
- 何か試してみようって時には どうしたって危険が伴うんだ
- 何でも自分のものにして持って帰ろうとすると難しいものなんだよ。 ぼくは見るだけにしてるんだ。 そして立ち去るときにはそれを頭の中へしまっておくのさ。 そのほうがかばんをうんうんいいながら運ぶより、ずっと快適だからね。
- 孤独になるには、旅に出るのがいちばんさ
- 自然を感じるだろ…?強い風の前に立って自分達に向かって進んでくる雨を感じるのはなんて素晴らしいんだ
- 自分できれいだと思うものは、 なんでもぼくのものさ。 その気になれば、 世界中でもね。
- 自由が幸せだとは限らない
- 出来るさ。 僕は世の中全ての事を忘れたいと思っているくらいなんだ。
- 人と違った考えを持つことは一向にかまわないさ。 でも、その考えを無理やり他の人に押し付けてはいけないなあ。 その人にはその人なりの考えがあるからね
- 人の目なんか気にしないで、思うとおりに暮らしていればいいのさ
- 人の涙をもてあそんだり、人の悲しみをかえりみない者が涙を流すなんておかしいじゃないか。
- 人間もみんなにこわがられるようになると、あんなにひとりぼっちになってしまうのさ。 有名になるなんてつまらないことさ。 はじめはきっとおもしろいだろう。 でもだんだんなれっこになって、しまいにはいやになるだけだろうね。 メリーゴーランドにのるようなものじゃないか
- 生きるっていうことは平和な事じゃないんですよ
- 生き物にとって自然に振る舞うというのはとっても大事なことなんだ
- 大切なのは、自分のしたいことを自分で知ってるってことだよ
- 長い旅行に必要なのは大きなカバンじゃなく、口ずさめる一つの歌さ
- 僕のものではないよ、だけど僕が見ている間は 僕のものなのかもね
- 僕は自分の目で見たものしか信じない。 けど、この目で見たものはどんなに馬鹿げたものでも信じるよ
- 僕は物心がついたときからたった一人で旅を続けてきた。 多分、これからもそうするだろう。 それが、僕にとっては自然なことなんだ。
- 眠っているときは、休んでいるときだ。 春、また元気を取り戻すために
- 明日もきのうも遠く離れている
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